「突板」家具について解説！メリット・デメリットはあるの？

家具を選ぶときに、最も重視するのは外観のデザインではないでしょうか。

自宅の雰囲気にマッチした家具は、置いておくだけで自分の気分が安らぐアイテムです。

しかし、家具はデザインだけが全てではありません。

いくら素晴らしいデザインでも、使っていて不便だったり、すぐに壊れたりしては、悲しいですよね。

デザインも大切ですが、他の部分でいい加減な選び方をすれば、後悔することに繋がるかもしれません。

そこで、この記事では一歩進んで、家具の選び方を素材の面からサポートします。

特に「突板（つきいた）」と呼ばれる素材をピックアップして、メリットやデメリットなども、わかりやすくご紹介します。

ぜひ、今後の家具選びの参考にして下さい。

突板の特徴

あまり聞きなれない突板という言葉ですが、実はとても身近な存在です。

私たちの周りにある家具には、意外にも普通に使われています。

突板とは、天然の木材を1mm以下の薄さにスライスしたもの。極薄にスライスされていますが、天然の木材には違いありません。

そのため、同じ材料の突板でも1枚ずつ、違った木の表情を楽しむことができます。もちろん、極薄の突板を、そのまま家具に使う訳にはいきません。

この突板が貼り付けられている下には、しっかりとした芯材が使われています。

なぜ、わざわざ天然の木材を極薄にするのでしょうか？手間をかけてスライスしなくても、そのまま使った方が簡単ですよね。

それには、しっかりとした理由があります。

天然の木材の中でも、特に美しいとされている材料の数は限られます。

例えば木目がきれいに流れていたり、節の位置が絶妙だったり、色々な条件の元に「美しい木材」は決まります。

そのため、どうしても手に入れることが難しくなってしまいます。しかし、同じ木材でも1000枚にスライスすれば、話は変わってきます。

1つの材料から1000枚分の素材を作ることができるので、単純に考えれば、手に入れるチャンスも1000倍になります。

このように貴重な材料を有効活用し、美しい木目との出会いを増やしてくれることが、突板の大きな特徴です。

突板で作られた家具のメリットとデメリット

それでは次に、突板で作られた家具が使う側にとって、どんなメリットやデメリットがあるのか、解説していきます。

突板家具のメリット

突板家具のメリットで最も注目したいのは、手触りです。

極薄にスライスされていても、天然の木材なので、風合いや手触りは無垢材と遜色ありません。

突板と同じ方法で、木目を印刷した「プリント紙」が貼り付けて使われている素材もあります。

こちらは、同じ色柄や木目での大量生産が可能です。

しかし、印刷なので木材特有の風合いや手触りなどを、感じることはできません。

そのため、しっかりとした木の手触りを楽しみたいなら、突板で作られた家具を選ぶべきです。

また、1つの材料から数百枚以上の突板を作ることができることから、無垢材の家具に比べて価格を抑えることができます。

さらに木材を丸々使った家具に比べて、構造にもよりますが、軽量に仕上げることも。

たとえば、チェストなどの大型家具を全て無垢材で作ると、値段と重量が凄まじいものになってしまいます。

しかし、突板を適度に使用することで、手の届きやすい価格と、扱いやすい重量の家具を作ることができるようになります。

無垢材と違って、突板は取り扱いしやすいのも特徴の1つ。

色々な制約から、無垢材で作ることの難しいデザインや加工も、突板なら行うことができます。

この面からも無垢材と違って、重量が軽い突板のメリットが、さらに生きることになります。

突板家具のデメリット

良い材料を安く使えることが突板のメリットですが、デメリットもあります。

極薄の突板は、傷がついた場合などは修復ができません。

無垢材なら、ある程度の傷までは、個人でも簡単に修復することができます。

たとえば、少しの凹みなどであれば、サンドペーパーで少し削ってから、水を含ませてワックスをかければ目立たなくなります。

しかし、突板は1mm以下の厚みしかないので、そもそも削ることができません。

また、無垢材では味になるような傷も、突板を貫通して、中の芯材にまで達してしまうことも。

こうなってしまうと、個人で修復することが、とても難しくなってしまいます。

また、突板は天然木材特有の経年変化を楽しむことができません。

家具が年月を経るとともに、色が変わっていく様子は、木材という素材ならでは。

実際に、販売されている無垢材家具の多くは、経年変化までを見越して、長い間使えるようになっています。

そもそも経年変化とは紫外線によって、木材の成分が変化し、色が変わっていくことです。

木材によって、色が濃くなるものや薄くなっていくものなど、違いがあります。

数十年単位で家具を使っていき、自分や家族と木材の経年変化を楽しみたい人は、突板家具はおすすめできません。

突板をメインに使用したアイテムをこもれび家具からご紹介

突板家具のメリットとデメリットをご紹介してきました。

無垢材にも突板にも、それぞれ良さがあるので、特徴をしっかりと理解しておくことが重要です。

それでは、今まで解説してきた突板家具の特徴を踏まえて、こもれび家具からおすすめのアイテムをご紹介していきます。

Asa（アーザ）シリーズ

突板ならではの、自然が感じられるシンプルなサイドボードとテレビボードのシリーズです。

日常的に触れる部分を中心として、積極的に突板を使うことで、手触りからも木のぬくもりを感じることができます。

全てのアイテムで引き戸を使用しているため、開閉を楽に行うことができます。

引き出しの中も深く設計されているため、取り出すときに、中で引っかかって取り出せなくなる心配もありません。

木材とカラーのバリエーション豊富に展開しているので、お部屋の雰囲気に合わせたアイテムを選べます。

例えば和室に置く場合、メイプル材やチェリー材などが畳との相性が良く、違和感がありません。

同じ形のアイテムでも、色を変えるだけで受ける印象は大きく変わってきます。

Alegre（アレーグリ）シリーズ

こちらも天然木の突板を使用しているので、1アイテムごとに異なる木の表情が楽しめます。

定番の色展開は、重厚感のあるウォールナットと、親しみやすい色が特徴のレッドオークです。

引き戸部分には、高級感のあるブロンズガラスを使用しています。

ラグジュアリーな雰囲気があると共に、中に収納しているものを見えにくくする効果もあります。

そのため、普段使いをしながらも、生活感を出さないライフスタイルが可能になってきます。

また、大型のダイニングボードにも、ブロンズガラスや、天然木の突板を使っています。

大型家具はなにかと注目される存在ですが、Alegreシリーズなら、しっかりとお部屋の品格を上げてくれます。

Fonteシリーズ（フォンチ）シリーズ

最後にご紹介するのは、一際大型の壁面収納ボード兼テレビボードのFonteシリーズです。

突板を側面と前面に使用することで、1点ごとに節目や木目の異なる表情が楽しめます。

大切なコレクションを収納するためのボックスは、左右どちらでも配置することができます。

お部屋の状況や、使い勝手に合わせて、選べるのは嬉しいところ。

この収納棚には強化ガラスが使われているので、コレクションをきれいに見せるのと同時に、しっかりと守ってくれます。

また、Fonteシリーズの特徴は外観だけではありません。

引き出し部分はゆっくりと閉まるソフトクローズ式になっているので、指を挟んだりするケガの防止になっています。

さらに、上部の扉は力を入れなくても開けることのできフラップアップ扉になっています。

どうしても高い所の扉は力が入りづらいので、簡単に開閉できるのは、女性にとってもありがたいポイントです。

まとめ

あまり聞きなれない突板という素材について、ご紹介してきました。

単純に無垢材は高級だから優れた素材、というわけではありません。

どんな場所や家具にも使える、万能の素材というものはありません。

しっかりと素材の性質や特徴を理解した上で、最適な形に加工して私たち家具屋は、家具を売っています。

これからは、ぜひ素材にも注目して、家具を選んでみて下さい。